【神棚を祀る理由】神様に感謝を伝えることです

投稿日: カテゴリー 神棚


1.神棚を祀ることで感謝の気持ちが広がります


神様へのお願い事には、交通安全、商売繁盛、社運隆盛などいろいろありますが、第一義は、「感謝」、「ありがとうございます」の気持ちを伝えることです。

家や会社で神棚を祀る理由も、神様に感謝の気持ちを伝えることにあります。

「ありがとう」は、「有り難い=有りえないこと」であり、「ありがとう」は、「有りえないこと」に対する感謝の言葉です。感謝が先、願い事はあと。神様に捧げるべき言葉は、まさに「ありがとうございます」です。

神棚を祀ることで、感謝の気持ちが家庭や会社のなかに広がっていくのです。

2.神棚は常に清々しく保ちましょう


神棚は家庭や会社の神社、つまり神様の住まいです。神様は清々しいところを好まれます。常にきれいにしておくことが大切です。

神棚が清々しくなると、不思議と家庭や会社も清々しく、きれいになってくものです。それは神棚をきれいに保つことで、自然とその周りもきれいにしようという気持ちになるからです。

神社の境内が清々しく、荘厳の気に満ちているのは、清掃が行き届いているからでもあります。

オフィスが散らかっていれば管理者は片づけを指示しますが、神棚に埃がかぶっていたり、お榊が枯れていても、神様は文句を言いません。

注意されてきれいにすることは誰でもできます。注意されなくても率先してきれいにする。無言の神様のために、神棚をきれいにする人は、神様の意を体して清掃しているといっても過言ではありません。

そのような感性は、必ず仕事にもプラスに作用します。そのような人が一人また一人と増えていくことで、会社は社会から支持され、社会全体がよくなっていくのです。

3.神棚を祀ることは生活習慣です


神棚を祀ることは、「心の生活習慣」です。多くの会社で、朝礼の際、神棚拝礼をしたり、社員が神棚の榊の水を替えたり、お供えを捧げたりする「お祀り」はごく普通の行為です。

神棚を祀ることが神道という宗教の一形式であることを超え、日本人の心の生活習慣だからです。日本人の精神文化の基礎といってもよいと思います。

神棚をお祀りすることが生活習慣として日常に溶け込んでいくよう、毎日欠かさず行うことが大切です。

古事記に出てくる「御倉板挙之神(みくらたなのかみ」が神棚という言葉の由来との指摘もあります。神棚は神様そのもので、尊い賜り物を置く棚でもあります。ここでは、神棚の祀り方を詳しく説明いたします。

4.神棚に供える神具には意味があります


神棚に欠かせない神具の一つがセトモノセットです。セットの中にはお皿が三枚あり、それぞれに、神饌である米・水・塩をお供えします。いずれも人の営みに欠かせないものです。可能であれば折敷に載せてお供えしましょう。

米は、天照大御神が、孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が人間界に下りる際に与えたもので、神聖な食物の意味があります。日本人の最も伝統的な食物であることは言うまでもありません。

水は生命の源です。塩は味付けに欠かせないもので、物事を調和させ、清める力があります。大相撲で力士が土俵に塩をまくのは、土俵に象徴される大地を塩で清める儀式です。

セットの中には、酒を入れる徳利が一対あります。神様に捧げるお酒、御神酒を入れます。酒も米からつくられています。
御神酒は祭り(祀り)というハレの場で飲まれるもので、神人合一、酔うほどに神との一体感を感じさせてくれる、ありがたい飲み物でした。

古くからある蔵元は、代々歴史ある神社に酒を奉納してきました。明治神宮の南参道沿いには200以上の菰樽が奉献されているのを目にします。
酒樽は四斗樽(72㍑)です。直径60㌢、高さ60㌢で、酒がいっぱいに入った状態で90㌔㌘近い重さになるそうです。

神饌であるお供え物はひとから神様に差し上げる形ではありますが、これらはすべて、自然の中から生まれた自然の賜り物ですから、神様に感謝してお供えします。

神事のあとなどで、お供えしたものをお下がりといって、神様から人がいただくことがあります。

お供え終わった水や塩は捨ててかまいませんが、敷地や周辺の清めに使うのがよいでしょう。

一対のセトモノにはお榊を立てます。榊は栄える木、境の木であり、この木を境に神聖な場所であることを意味します。毎月1日と15日に、榊を新しいものと取り替えます。

水は毎日替えるようにしましょう。榊が青々としていることは、会社が神棚をどのくらい真剣に祀っているかのバロメーターです。

榊が枯れているようでは、その会社の士気は高いといえません。

神棚に欠かせないのが鏡(神鏡)です。神話に出てくる天岩戸開きの時、岩戸の閉じこもった天照大御神が鏡にその姿を映したことから、鏡が尊いと考えられています。

神鏡は、神棚、神様の前に進むとき、鏡に映る自分の姿は、神様の前に進むに値するのかをチェックするものでもあります。

「火」についてもご紹介します。
「カミ」の語源の一つは「火水」、つまり火をカと、水をミと読ませたところからきています。火水という矛盾した存在を内包するものをカミとするのです。

5.神棚への拝礼は当番制もよいでしょう


神棚に対する拝礼はいつ、だれが行うのがよいでしょうか。

神棚への日々の礼拝、お供えなどのお勤めは本来、その集団の長の役目です。会社であれば社長、お店であれば店長です。
神棚の拝礼は、朝に行われます。早朝の新鮮な気、霊妙なる気が満ちた時こそ、祈りにふさわしいからです。

神棚を設け、日々お勤めを欠かさない会社では、経営者が誰よりも早く出社し、事務所の清掃などを行っています。つまり、神棚が経営者の自浄作用となっているのです。

しかし、神棚へのお勤めを行う順番を決めることもよいと思います。会社では社員が順番で、朝礼前に当番となり、水やお供え物を取り替えるのです。

多くの社員は神棚に接する経験がないですが、日本人の中には、神様とともにいるという根源的な気持ちがあり、当番となった社員は、神様に対する気持ちが開くのではないでしょうか。

実際に、「当番になりお供え物やお榊の水を取り替えているうちに、清々しい気持ちになり、感謝の気持ちがわいてきた。仕事に臨む姿勢も変わってきた」といった例をたくさん見ています。

いかがでしたか。
感謝の気持ちをもって神棚を祀ること、これを日々の生活習慣とすることで、家庭も会社も大きく変わってくると思います。


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