神棚を拝見しますと、必ずと言っていいほど、しめ縄が飾られているのを目にします。
神棚にとってしめ縄は、切っても切れない大切なものです。
でも、たまに向きが違ったしめ縄を見ることがあります。
それには必ず理由があります。
今回は「しめ縄の向き」について、ズバリお答えします。
1、しめ縄とは?
しめ縄は、神域と人が住む世界の境界を示すものです。
正月に飾るしめ縄の種類としては、「ごぼうしめ飾り」、「玉飾り」、「輪飾り」が知られています。
その他にも、ごぼうしめより太い「大根締め」、真ん中が太く両端に向かって細くなる「鼓動型」というものもあります。
しめ縄には、紙で折られた紙垂(しで)が付けられています。
紙垂は、折の方向で裏と表があります。付ける時は、裏と表に気を付けてください。
しめ縄は、地域文化で培われてきたもので、地方の風習によって、編み方に違いがあり、訪れた先で、それを見るのも味わい深いものです。
また、神棚自体もそれぞれの地域で受け継がれる形式があります。
2、神棚に飾るのは?
神棚には「ごぼうしめ飾り」を飾ります。
「ごぼうしめ飾り」には、向きがあります。
綯い始め(ないはじめ)が「太く」、綯い終わり(ないおわり)が「細く」なります。
*地域にによって、しめ縄の呼び名も変わります。
「ごぼうしめ」といった時、綯い始めと綯い終わりで、太さの変わらないものを指すところもあります。
ここでは、綯い始めと綯い終わりで太さが変わる「しめ縄」を、「ごぼうしめ」として、話しをさせていだだきます。
3、飾る向き
向きには諸説ありますが、一般的に、ご家庭では向かって左側にしめ縄の細い部分が来るように配置します。
これを「入船」と呼びます。
4、職業によって異なるしめ縄の向き
言い伝えでは、しめ縄を船の形になぞらえて入船、出船と言い、商売繁盛を願い、店に客が沢山足を運ぶようにと、向かって左側に細い方を向ける「入船」で飾ります。
また、家から出て働いて稼ぎを持ち帰る方は、向かって左側に太い方を向ける「出船」の形で飾るところもあります。
5、神棚の方角としめ縄の向き
神棚のしめ縄の向きは、私たちから見て、左側に細い部分がくるように飾るのが基本ですが、神棚の向きに合わせて、しめ縄の向きを変える事もあります。
その場合の神棚の向きとしめ縄の向きの対応は以下のようになります。
神棚の向き | 位置(細い部分) | 方角(細い部分) |
東向き | 右 | 北向き |
西向き | 左 | 北向き |
南向き | 左 | 西向き |
北向き | 右 | 西向き |
細い方の向きが変わる理由としては、太陽の存在があり、例えば東向きの場合は、上の表にあるように、北向きにしめ縄を飾りますが、これは太陽の向きに対応しているためです。
6、しめ縄を飾る時期
しめ縄は年末に下げ、歳神様を迎える準備を整えた神棚に、新しいものを取り付けます。
昔から新しいしめ縄を取り付けるとき、12月29日に飾るのは避けてきました。「9」の付く日「九」が苦につながるといわれるためです。
また、12月31日は、一夜飾りであるとして、やはり避けてきました。両日以外の12月27,28,30日あたりに、家の大掃除といっしょに、新しいしめ縄を飾りるのがよいでしょう。
ゲンを担ぐ風習が残っています。
また、しめ縄を年末に新しいものに交換するのでしたら、一緒にこちらの記事もご確認ください。
お掃除の仕方
【必見!】今まで気が付かなかった神棚の正しいお掃除マニュアル│隅々まできれいに。徹底ガイド | 神棚の教科書 (kamidana-kyoukasho.jp)
年末やる事と必要なものリスト
神棚【年末年始の準備】いつまでに?!|やる事と必要な物リスト! | 神棚の教科書 (kamidana-kyoukasho.jp)
はずされたしめ縄は、年明けに神社へ奉納します。地域によっては、それをお焚き上げする「どんど焼き」が催されるところもあります。
近年は、地域文化の担い手が少なくなり、どんど焼きのような新年の風物詩が少なくなっており寂しく思います。
7、まとめ
いかがでしたか?
神棚は奥が深く、いろいろな意味が込められています。
お宮を飾る棚板や上部の雲板にも意味があるんです。
神棚の棚板のサイズ
神棚のサイズと選び方を徹底解説|サイズの種類から設置のポイントまで | 神棚の教科書 (kamidana-kyoukasho.jp)
「雲」の意味
神棚の「雲」のすべて|「雲」の疑問~最新の「雲」まで完全ガイド | 神棚の教科書 (kamidana-kyoukasho.jp)
皆さんに神棚の事をもっと知っていただくために、これからも神棚について深掘りしていきたいと思います。
しでの表裏がわかりません。
大岩 様
大変遅くなり申し訳ございません。
紙垂は、そのまま付けてもらってかまいません。
神棚の教科書